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お役立ちコラム
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「無断キャンセルや直前キャンセルが続き、診療枠と収益が無駄になっている」「キャンセル料を導入したいが、患者離れが心配で踏み切れない」
そのような悩みを抱える院長先生やクリニック経営者は少なくありません。
2026年6月1日から選定療養の予約に基づく診察に限り、キャンセル料を請求できるようになりました。
この記事では、診療予約のキャンセル料の請求を導入する条件や請求できるケース、患者離れを防ぐコミュニケーションなど、クリニック経営者が押さえるべきポイントを解説します。制度を正しく理解し、自院での導入判断にお役立てください。
目次
選定療養の予約に基づく診察のキャンセル料は、これまで法的根拠が曖昧なままでした。
また、当初の通知に誤解を招く表記があったことから厚生労働大臣が2026年5月29日に改めて通達を行うなど、現場では混乱が生じています。制度の経緯と正確な内容を確認しておきましょう。
予約料を徴収していない通常の予約制クリニックが、厚労省通知を根拠にキャンセル料を徴収しようとすることには、慎重な判断が求められます。今回の整理はあくまで、患者さんが予約料を支払う「選定療養の予約診療」を前提としたものだからです。
無断キャンセルや直前キャンセルがクリニック経営に深刻なダメージを与えているのは事実です。
帝国データバンクの調査では、2025年の医療機関の倒産は66件、休廃業・解散は823件といずれも過去最多を更新しており、経営環境の厳しさは増しています。
だからこそ、通知の適用範囲を正確に理解したうえで、慎重に対応することが重要です。
2026年6月1日から地方厚生局に届け出ている「選定療養による診療予約」に限り、患者都合で直前にキャンセルした場合のキャンセル料徴収が厚生労働省により認められました。
クリニックは、無断キャンセルや直前キャンセルによる損失を補填できるようになりました。ただし、導入にはいくつかの条件を満たす必要があります。
診療予約のキャンセル料を請求するには、条件を満たす必要があります。
| 条件 | ポイント |
| 選定療養の予約に基づく診察として予約料を徴収していること | 今回の制度改正の対象となる前提条件であり、一般的な予約は対象外 |
| 地方厚生局への届出 | 届け出なしの請求は違法な徴収とみなされるリスクがあり、患者さんからのクレームにもつながる |
| ホームページや予約画面への告知 | キャンセル料の金額・発生条件・支払い方法をホームページや院内の見やすい場所、予約システムの画面に掲示する |
| 患者さんからの同意取得 | 予約時にキャンセル料徴収への同意を取得する |
1つでも欠けると制度要件を満たさず、患者トラブルや行政指導のリスクにつながります。
導入要件を満たしたとしても、必ずしもキャンセルに料金を請求できるとは限りません。
請求が認められるケースと金額の考え方を理解しておくことが、トラブルを防ぐために大切です。
請求対象は選定療養の予約に基づく診察において、「前日・当日のキャンセル」や「無断キャンセル」など、患者都合による直前のケースに限られます。
直前の基準はクリニックが自院で設定できますが、ホームページや同意書に明記しておくことで、患者さんが「ルールが明確なクリニック」と感じ信頼感の向上につながります。
厚生労働省からの通知では、徴収額は「社会的にみて妥当適切なもの」とするよう定められています。
実際に、明確に金額を設定するクリニック、滅菌機材の使用や多くのスタッフの準備が必要なケースもあり、個別に設定しているケースもあります。
不当に高額な設定は患者さんとのトラブルにつながるため、実費を根拠として示せる範囲で設定することが重要です。

すべてのキャンセルに料金が発生するわけではありません。
対象外のケースをホームページや院内掲示に明記しておくことで、患者さんへの説明がスムーズになります。
突発的な発熱や体調の急変など、やむを得ない体調不良によるキャンセルは対象外になる可能性があります。
診断書の提出を義務付けることは現実的ではありません。患者さんの申告を尊重する運用がトラブル防止と患者満足度の維持につながります。
診療体制の変更や院内トラブルなど、クリニック側の事情によるキャンセルは請求対象外になる場合があります。
例えば、急な手術対応による外来診療の縮小や、検査機器の故障による実施不可、システム障害による予約管理停止などが該当します。
この場合は患者さんへの丁寧な説明と、可能な限り早い再予約の案内が必要です。
前日・当日以外の余裕をもったキャンセルは対象外とする運用が一般的です。
「2営業日前までキャンセル料はかからない」など基準を設定し、ホームページや同意書に明記しましょう。
キャンセル料制度を導入するメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。両方を理解したうえで判断することが大切です。
キャンセル料制度を設けることで、患者さんが予約に対する意識を持ちやすくなります。
キャンセルが多いクリニックでは、制度導入によって予約枠の空きが減少するケースもあります。他の患者さんの受診機会を確保できることもメリットです。
事前準備が必要な診療では、キャンセルによる損失が大きくなります。キャンセル料制度は、こうした損失をある程度カバーでき、経営面の負担軽減につながります。
制度の説明が不十分な場合、「聞いていない」「知らなかった」といったクレームにつながる可能性があります。
特に初診患者さんは、予約時点でキャンセルポリシーを十分に理解していないこともあるため、ホームページや予約画面で分かりやすく案内することが重要です。
キャンセル料の説明や請求、問い合わせ対応など新たな業務が発生します。請求対象かどうかを判断する必要もあるため、現場の負担が増えがちです。
無断キャンセルがほとんど発生していないクリニックでは、制度導入による効果が限定的な場合もあります。
一方で、自由診療など予約枠の損失が大きい診療科では、導入を検討する価値があるでしょう。
患者さんへの伝え方と運用設計が、導入後の成否を左右します。信頼を築きながら制度を定着させるためのポイントを解説します。
患者さんへの説明で重要なのはメッセージ設計です。
「キャンセルしたら罰金」という印象を与えると反発を招きがちです。「患者さんに公平な診療時間を確保するための仕組み」として伝えることで納得感が変わります。
ホームページにキャンセルポリシーの専用ページを設けることをおすすめします。
実際に、キャンセル料の導入を決めたクリニックの中には、「なぜこの制度を導入したのか」を丁寧に説明しているところも少なくありません。
「無断キャンセルが続き、他の患者さんへの診察時間が確保できなかった」「スタッフの準備が無駄になるケースが増えていた」といった現状を伝えることで、患者さんの理解を得やすくなります。
制度導入時には、複数の場所で周知することが大切です。以下のように患者さんが目にするところを活用しましょう。
トラブルを未然に防ぐことが、スムーズな導入には必要です。
キャンセル料制度の導入と合わせて、リマインド通知の仕組みを整えましょう。
予約前日や当日のリマインドにより、うっかり忘れによる無断キャンセルを減らせる可能性があります。請求する場面そのものを減らす設計が最善策です。患者さんとの関係を良好に保ちながら、経営の安定につながります。
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制度導入後は、一定数のクレームが発生することを想定しておくことが重要です。
スタッフが判断に迷うという状況を避けるために、クレーム発生時の対応フローをマニュアル化しておきましょう。対応を標準化するだけで、現場のスタッフの混乱を減らし、患者さんの満足度低下も防げます。
キャンセルポリシーの文言は、「患者さんへの配慮が伝わる表現」にすることが重要です。文例を参考に、自院の診療内容や方針に合わせて調整してください。
| 【診療予約のキャンセルについて】
当院では、患者さまに適切な診療をご提供するため、予約制を導入しています。やむを得ずご予約をキャンセルされる場合は、お早めにご連絡いただきますようお願いいたします。当院は、患者さまに予約料をお支払いいただく「選定療養における予約診療」を実施しており、前日・当日のキャンセルおよび無断キャンセルについては、〇〇円を申し受ける場合がございます。 なお、体調不良など止むを得ない事情の場合は対象外です。この制度は、患者さまへの公平なサービス提供を目的としております。ご理解とご協力をお願いいたします。 |
| 【予約キャンセルのお願い】
当院は、予約料をお支払いいただく「選定療養における予約診療」を行っています。ご予約をキャンセルされる際は、前日までにお電話またはWEBよりご連絡ください。 ・前日・当日のキャンセル/無断キャンセル:キャンセル料〇〇円 ・急病・体調不良など止むを得ない場合:対象外 ご不明な点は受付スタッフまでお気軽にお声がけください。 |
| □ 予約キャンセルポリシーに同意します。(当院は選定療養における予約診療を行っています。前日・当日のキャンセルおよび無断キャンセルの場合、キャンセル料〇〇円が発生する場合があります。急病など止むを得ない場合は対象外です) |
選定療養における予約診療のキャンセル料の導入を検討するクリニックから多く寄せられる疑問をまとめました。
導入の仕方によって患者さんの反応は変わります。
まず、キャンセル料は選定療養における予約診療、つまり患者さんが予約料をお支払いいただく診察に限った制度であることを丁寧にお伝えすることが大切です。
そのうえで、罰則として告知するのではなく、「公平な診療時間を守るための仕組み」として説明することで、多くの患者さんから理解を得られる可能性があります。止むを得ないケースは対象外であることを明示し、患者さんの不安を先回りして解消することが重要です。
選定療養における予約診療の要件を満たせばキャンセル料の請求は違法ではありません。
ただし、地方厚生局への届け出・ホームページへの掲示・患者さんからの同意取得という要件を満たしていることが前提です。
まず、選定療養における予約診療として地方厚生局への届け出を行ったうえで、事前の説明・同意取得が十分だったかを確認しましょう。
これらの要件を満たしたうえで同意を取得済みであれば請求できる可能性があります。ただし、強引な取り立ては関係悪化につながるため、次回来院時の精算や後日郵送による請求書の送付など柔軟な対応を検討することも有効です。
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2026年6月から選定療養における予約診療の要件を満たす場合に限り、、診療予約のキャンセル料を請求できるようになりました。
キャンセル料制度の導入は、経営の安定だけでなく、患者さんへの誠実な姿勢を示す機会でもあります。制度の理解と丁寧なコミュニケーションが、長期的な集患と患者満足度の向上につながります。
参考:集患できるクリニックホームページ制作とは?成功事例から学ぶ7つの鉄則
<参考サイト>
療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について|厚生労働省
医療機関の倒産・休廃業解散動向調査(2025年)|帝国データバンク

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