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カルテ音声入力と相性のよい診療科は?7つの科の特徴と活用方法を解説

医師マイクつき

病院やクリニックのカルテ入力を効率化する方法の一つとして、音声入力があります。診察中の会話をリアルタイムで記録し、AIがSOAP形式に要約するシステムは、診療効率向上の方法として注目されています。

しかし、「自院で音声入力を活用するイメージができない」など、具体的な運用方法がわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、7つの診療科別に、具体的な活用方法を診療科の特徴に合わせて解説します。カルテの音声入力の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

カルテの音声入力とは?

医療機関で活用される音声入力システムは、単なる音声認識以上の機能を備えています。音声入力により、カルテ入力作業がどのように効率化されるのでしょうか。音声入力の機能やメリットについて解説します。

診療に特化した音声認識AIの仕組み

AIによる音声入力システムは、診察中の会話を自動的に文字に変換し、カルテ情報としてSOAP形式で要約されます。診察室特有の雑音も分離して認識できるため、話した内容だけが時系列に沿って整理され、診察内容を正確に把握できます。

また、医療用語に特化した学習機能により、専門用語や略語、検査項目などの言葉も高い精度で認識可能です。再入力やミスの手間を減らし、診察時のやりとりをそのまま記録できます。さらに、記録は必要に応じて修正できるため、診察スタイルに合わせた運用も可能です。

カルテ音声入力を導入するメリット

  • 記録時間の短縮
  • 患者とのコミュニケーション向上
  • 身体的な負担の軽減

タイピングよりも速い音声入力により、カルテ作成時間が大幅に短縮されます。会話しながら詳細な記録を残せるため、診療効率の向上につながるでしょう。

また、パソコン操作に集中する必要がなく、患者と目線を合わせて会話できます。患者の表情や仕草などの情報をくまなくキャッチし、より質の高いコミュニケーションが可能となります。

さらに、長時間のタイピングにより生じる腱鞘炎などの身体的な負担も軽減され、業務上のストレスを抱えにくくなるでしょう。

【7つの診療科別】カルテ音声入力の活用方法

いずれの診療科でも音声入力を活用できますが、各診療科の特性によって効果的な運用方法は異なります。それぞれの診療科において、どのような場面で音声入力が生かされるのか、具体的な活用方法を解説します。

1.内科

内科は、急性症状から慢性疾患まで幅広い症状に対応する診療科です。詳細な問診と経過観察が必要であるため、SOAP形式での記録量が多い傾向にあります。

定期的な診察時の変更や調整を漏れなく記録

慢性疾患の管理などの定期的な診察に音声入力との相性がよいでしょう。例えば、検査結果の説明で効果を発揮します。「血圧130/80、前回より安定。HbA1cが6.8%から6.5%に改善」と患者に説明するだけでカルテに記載されるため、効率化につながります。

また、薬剤調整の場面でも効果的です。「血圧が高いので、アムロジピンを5mgに増やします」と話せば、処方変更とその理由を同時に記録できます。

患者への説明が全て記録されるので、次回診察時の参考としても役立ち、一貫性のある治療が提供に貢献するでしょう。

2.小児科

子ども診察

小児科での診療は、子どもと保護者両方とのやりとりが必要で、年齢に応じて症状の訴え方も異なります。また、予防接種の記録やスケジュールなど、子どもならではの管理が必要になります。

親子診察での効率的な情報収集

小児科の診察では、保護者からの問診情報が診断の手がかりとなります。音声入力を活用すると、子どもの様子を観察しながら、保護者の説明をリアルタイムで記録できるでしょう。漏れなく情報収集できるため、重要な情報の見落としも防げます。

ただ、診察中に子どもが泣き出してしまうなど、保護者の発話を十分に聞き取れない可能性があります。そのため、発話内容だけを確実に認識できるマイク設定が重要です。保護者が座る椅子の近くにマイクを設置したり、音声の弁別機能が充実しているものを選びましょう。

予防接種管理を確実に実施

小児科では、子どもの予防接種を複数回行うことがあります。保護者に予防接種の説明や次回の予定を説明するだけでカルテに記載されるため、入力もれやミスを防げます。

例えば、「本日は肺炎球菌ワクチン3回目を接種し、次回は4週後の予定です」と説明すれば、そのまま記録が可能です。正確なスケジュール管理と接種間違いを確実に防止できるでしょう。

3.整形外科

足のレントゲン

整形外科は、身体の各部位における骨や関節、筋肉などの診察が中心で、患者の動作や症状の詳しい記録が必要です。また、画像検査結果の所見や治療経過の記録など、カルテの文章量が多くなりがちです。

患者の動きや画像検査結果を見ながら音声入力

整形外科の診察では、患者の動きを観察しながら所見を取る必要があり、都度入力のためにパソコンに向かうのが診察の妨げになりがちです。音声入力を活用すると、患者の動作を観察しながらスムーズに記録できます。

例えば、膝関節の診察では「右膝関節の可動域は屈曲120度」といった所見を声で入力しつつ、患者の膝を動かして確認できます。また、X線やMRIなどの画像検査結果も画面で確認しながら話すだけで所見を記録できるため、手間が省けるでしょう。

4.精神科・心療内科

医師対面

精神科・心療内科では、患者との会話が診療の中心となり、心理状態や訴えの詳しい記録が重要です。診察では、患者の表情や態度、言葉のニュアンスなど、非言語的な情報も注意深く観察する必要があります。

傾聴と正確な状態把握が可能に

音声入力の活用により、患者の表情を見ながら会話に集中できます。また、患者の言葉をそのまま記録できるため、微妙なニュアンスや感情表現も正確に残せます。精神科で必要な「傾聴」のスタンスを崩すことなく、効率的な状態把握が可能です。

特に、初診時には、生育歴や現病歴など詳細な問診が必要です。診察時間も長時間にわたるケースが少なくないため、長い情報をそのまま記録できる音声入力との相性がよいでしょう。

プライバシーへの配慮は必須

一方で、精神科・心療内科では、特にプライバシーへの配慮が必要です。生育歴や家族歴、重大な悩みなど、診察内容はセンシティブなものが多いため、録音されることに抵抗感を示す患者もいるでしょう。

音声入力を導入する際には、録音していることを明示し、同意を得ることが重要です。アクセス権限や保存期間の設定など、データのセキュリティについても丁寧に説明し、患者が安心して診察を受けられるよう配慮しましょう。

5.産婦人科

エコー

産婦人科では、妊婦健診でのエコー検査や内診、婦人科疾患の診察など、医師の手が塞がる場面があります。また、不妊治療を行う場合は、患者のセンシティブな情報を扱うため、スタッフ間での情報共有が重要です。

健診時のエコー所見を効率化

妊婦健診のエコー検査では、画像を見ながら患者に説明することが求められます。音声入力を導入すると、説明するだけでその内容が自動で要約されてカルテに記録できるため、効率化につながります。

不妊治療プロセスの情報共有を適正化

産婦人科で行う不妊治療は、タイミング法や排卵誘発法など、患者の状態に合わせてさまざまです。月経周期に応じて行うため、治療のスケジュール管理も煩雑化しやすいでしょう。

患者ごとに異なる情報を、スタッフ間で正確に共有されていると、診察外の検査や問合せ時にスムーズに対応できます。音声入力を活用することで、診察時の治療プロセスの説明が全て記録されるため、医師以外のスタッフ間で確実な共有が可能になります。

6.皮膚科

皮膚治療

皮膚科は、患者の皮膚状態や過去の画像所見を見ながら診察する診療科です。そのため、カルテ入力との両立が負担となりやすく、音声入力はその負担を軽減するために有効です。

視診と写真記録を効率化

医師は患部を見たり触れたりしながら診断するため、音声入力を活用すると、診察しやすいでしょう。例えば、「右頬部に5mm大の発疹と痒みがある」といった所見を患部を観察しながら音声入力できます。

また、電子カルテに保存されている過去の画像データと比較しながらの音声入力も可能です。診察から記録、処方までの一連の流れがスムーズになり、診療効率の向上につながります。

7.訪問診療

訪問先で話す医師

在宅医療や訪問診療のカルテの入力は、次のように通常の外来診療とは異なるタイミングで行うことが多いでしょう。

  • 患者の自宅や施設などの訪問先
  • 移動中の車内
  • 帰院してから一括で記録

「座る場所がない」「机がない」など入力環境が十分でなかったり、帰院後に思い出して記録したりするなど、手間がかかりがちです。音声入力により、パソコンを持ち歩く必要がなくなるため、訪問先でも正確な記録ができます。

モバイル環境での記録がスムーズに

音声入力システムは、録音データがクラウドに保存されます。また、スマートフォンやタブレットとの連携も可能であるため、訪問先で録音しておくと記録が残ります。帰院後に、録音の要約がカルテに同期され、完成するという流れです。確認しておきたい事項があっても、会話は後で聞き返せるため安心です。

クラウドとの連携方法をチェックしておく

導入に当たっては、訪問先にインターネット環境がない場所でも使用できるオフライン機能の有無を確認しておきましょう。訪問先で録音したデータがデバイスに一時保存され、帰院後に自動的に同期されるような機能です。

診療科の特性を踏まえた運用をイメージしてから音声入力を導入しましょう

医師案内

カルテの音声入力を導入する際には、診療科の特性を加味し、具体的な運用をイメージしておくことが大切です。検査結果や画像を見ながら入力したり、患者の訴えを詳細に聴取したりするなど、何を効率化したいかを明確にします。導入の目的を明確にしておくことで、自院のスタッフに説明しやすくなり、全体の業務フローの改善をはかりやすいでしょう。

株式会社HERO innovationでは、スマートフォンやタブレットでも利用可能な電子カルテAI音声入力システム「MEDISMA AIクラーク」を提供しています。診療科の特徴に合わせて、導入から運用までを手厚くサポートいたします。無料のデモ体験も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

著者・監修者情報

この記事を投稿した人

ヒーローイノベーションスタッフ
「医療を便利に分かりやすく」
株式会社HERO innovation(ヒーローイノベーション)です。
医科・歯科のクリニックをはじめ、医療に関するホームページ制作・WEBおよびマーケティングは弊社にぜひご相談ください。

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