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お役立ちコラム
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「医師のカルテ入力作業を減らしたい」「診療効率を上げたい」など、クリニックの業務効率化に課題を抱えるケースは少なくありません。しかし、人材不足の中で新たなスタッフの採用に踏み切れない場合も多いのではないでしょうか。
医師の診療業務を効率化する職種として注目されてるのが医療クラークです。カルテや診断書作成、患者への説明など、細かな業務の代行ができ、診療の効率化につながります。また、一定条件を満たせば診療報酬の加算も可能です。
本記事では、医療クラークが行う業務内容や医療事務との違い、運用のポイントを解説します。
目次
医療クラークとは、医師の指示のもと、診療業務の事務作業をサポートする職種です。診療報酬上では、「医師事務作業補助体制加算」の対象となり、収益向上が期待できます。
主な役割は、電子カルテの代行入力や書類作成、治療に関する患者説明などです。事務作業全般を代行することで、医師が診療に専念できるような体制を整えます。
医療事務は受付窓口での患者対応を行う「クリニックの顔」となる職種です。また、会計処理やレセプト請求を行い、正確かどうかをチェックします。一方で、医療クラークは、診察室やナースステーションで、医師の事務作業を直接的にサポートします。
また、医療事務には診療報酬上の加算はありませんが、医療クラークは施設基準を満たせば「医師事務作業補助体制加算」が算定可能です。
医療クラークは、医師の業務負担を減らす取り組みとして効果的です。厚生労働省の調査では、404施設の医療機関のうち42.6%が医療クラーク(医師事務作業補助者)の外来への配置が効果があったと回答しています。
特に、「医師の増員」(32.9%)を上回っていることが特徴的です。新たに医師を増やすことだけでなく、医療クラークとのタスクシェアをはかることが負担軽減には大切であることがわかります。
参考:令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和2年度調査)の報告案について│厚生労働省
医療クラークは、就業場所によって外来クラークと病棟クラークにわけられます。2つの医療クラークのタイプについて解説します。
外来クラークは、主に診察室で医師の診療をサポートします。診察中に医師が患者とのやりとりに集中できるよう、カルテの入力を代行します。また、診察前に予診として問診を行い、その内容をカルテに入力するケースもあります。
外来クラークがいることで、診療できる患者数が増え、待ち時間の短縮や満足度の向上につながるでしょう。
病棟クラークは、入院患者に関する事務作業をサポートします。ナースステーションに常駐し、入退院の手続きや診断書作成、検査予約の管理などが主な役割です。医師だけでなく看護師の作業負担を軽減し、医療スタッフが患者のケアに時間を確保できるよう支援します。
事務作業だけでなく、診療に必要な資材の管理と発注、病棟内の清掃など、広い範囲の業務を行うケースもあります。
医療クラークは、具体的にはどのような業務を任せられるのでしょうか。主な3つの業務について解説します。
医師の指示に従って、患者が話した内容や症状、処置内容をカルテに記載します。
診察中だけでなく、診察前の受付時に得られた情報を医療クラークが入力しておくことで、医師がいち早く患者の状態を把握できます。例えば、「鼻水が出る」「目がかゆい」などの訴えを、あらかじめSOAP形式で入力しておくと、医師が一目で状態把握が可能です。
医療クラークがカルテ入力を代行することで、診療効率の向上や患者の待ち時間短縮につながります。
医師の指示で、診断書や紹介状などの文書作成を行います。医師が診療時間外や休日に書類作成を行う必要がなくなり、労働時間の削減につながるでしょう。
文書作成においては、いくつかのひな形を準備し、それに沿って作成するようマニュアル化しておくとよいでしょう。
診察や検査予約の日程調整や、治療上で必要な案内など、医療行為に該当しない患者対応も行います。例えば、検査の具体的な手順の説明や入院時のオリエンテーションなど、一般的な説明などが含まれます。
医療行為に関して説明をしたり、同意を得たりすることも可能ですが、患者から質問があった場合は、医師の説明が必要です。
医師の負担軽減に有効な施策として注目されている医療クラークですが、導入する上ではいくつか注意すべき点があります。具体的には次の3つに注意して運用しましょう。
医療クラークは、診療科によって必要なスキルや知識が異なります。例えば、耳鼻咽喉科や皮膚科では症状や検査が比較的パターン化されているため、導入しやすいでしょう。
一方、精神科のように患者とのやりとりが複雑で会話量が多い場合、カルテ入力にも高度なスキルが必要となります。医療クラークによって効率化できるかどうか、自院の診療科や患者特性を考慮して慎重に検討することが大切です。
医療クラークには特別な資格は必要ありませんが、医療知識や基本的なPCスキル、コミュニケーション能力が求められます。診療科特有の用語やSOAP形式の記載など、医療ならではの知識の習得に時間がかかる場合があります。
特に、医療クラークはその重要性が叫ばれてからまだ日が浅く、他業種からの転職が多い傾向があるでしょう。⽇本医師事務作業補助者協会が行った調査では、38.6%が他業種からの転職、26.4%が他部署からの異動でした。
未経験から医療クラークとして教育を行う場合、育成を行う時間や教育の手間が生じやすいといえます。長期的なスパンで医療クラークの運用を考える必要があるでしょう。
参考:2023年度 医師事務作業補助者実態調査報告ー速報版ー│NPO法人日本医師事務作業補助者協会
医療クラークは、一定条件を満たせば医師事務作業補助体制加算の算定対象になります。しかし、加算の対象となる施設基準が明確に定められており、条件に満たない場合は診療報酬の請求はできません。医師事務作業補助体制加算の対象となる基準は以下の通りです。
【施設基準】
①急性期医療を担う病院であること(特定機能病院を除く)
②病床数に応じた専従の医師事務作業補助者の配置(25:1の場合、25床ごとに一人以上)
③運用体制の要件として以下を満たすこと
④算定要件として以下のいずれかを満たすこと
医師の業務負担が大きい急性期医療を中心とした病院に限られており、負担軽減のための体制整備などの基準が設けられています。クリニックでは算定対象とならないことが多いため、診療報酬上のメリットは少ないといえるでしょう。
参考:参考資料│厚生労働省
育成にコストがかかりがちな医療クラークですが、うまく導入できない場合、解決策はあるのでしょうか。
医療クラークのほかに電子カルテの代行入力ができるツールとして、AIクラークが挙げられます。AIクラークは、患者が話した内容を音声入力システムにより、自動的に文字起こしを行います。文字化された内容は、自動的にSOAP形式に要約され、誤入力しがちな医療用語も正確に変換できる点が特徴です。
医療クラークの導入がうまくいかない場合や、採用するかどうか悩むときには、AIクラークの導入も検討してみましょう。具体的な機能やメリットについては、以下の関連記事もご覧ください。
関連記事:電子カルテの音声入力は役に立つ?AI活用の効果と導入のポイント
医療クラークの導入は、診療効率の向上につながります。しかし、人材の採用や育成にコストがかかり、診療報酬加算の要件も厳しいため、クリニックによっては十分なメリットが得られない場合もあります。
そこで、電子カルテの入力業務を効率化する新たな方法として、AIクラークが注目されています。株式会社HERO innovationでは、病院やクリニックで活用いただける電子カルテAI音声入力システム「MEDISMA AIクラーク」をご提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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