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お役立ちコラム
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電子カルテ入力の手間を減らすため、入力を代行したいと考えるクリニックの先生も多いでしょう。しかし、「どこまで代行入力を依頼してもよいかわからない」「法律的に問題はないのか」など、不安に感じるかもしれません。
本記事では、電子カルテの代行入力について、法律的な観点や代行を依頼できる医療クラークを解説します。カルテの代行入力をさらに効率化する最新の方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
電子カルテの代行入力は、法律上問題ありません。2008年度の診療報酬改定で、「医師事務作業補助体制加算」が新設され、カルテや診断書作成など、事務作業の代行が正式に認められました。
ただし、代行入力できるのは、厚生労働省の研修を受講した医師事務作業補助者に限られます。医師事務作業補助者は、一般的には医療クラークと呼ばれます。また、入力内容の最終的な責任は医師にあり、作成したカルテや診断書などは医師の確認と承認が必要です。
カルテ代行入力ができる医療クラーク(医師事務作業補助者)とは、どのような職種なのでしょうか。具体的な業務内容と、診療報酬請求上の注意点を解説します。
医療クラークが行うのは、主に以下の3つの業務です。
参考:現行制度の下で実施可能な業務について(タスク・シフト/シェア推進に関する検討会)│厚生労働省
医師の具体的な指示のもと、診察時に医療クラークが同席して電子カルテに医療記録を入力します。記録だけでなく、レントゲン写真などの画像の取り込みや検査オーダー、次回診察の予約なども行うことが可能です。
カルテに記載された情報をもとに、診断書や主治医の意見書、紹介状の返書など、文書の下書きを作成します。あらかじめ文書ごとにテンプレートを作っておくことで、効率的に代行できます。
診察前に予診を行い、事前に病歴や症状を聴取することも可能です。また、入院時のオリエンテーションなどの医療行為に関係しない説明をし、入院の同意書に署名をもらうことも問題ありません。
検査などの医学的な行為に関する説明や同意取得も行いますが、医学的な質問があった場合は、医師や看護師などの説明が必要です。
医療クラークは、受付スタッフが兼務するケースもあります。特に、クリニックではスタッフの人数が限られるため、兼務することが多いでしょう。
ただし、「医師事務作業補助体制加算」を請求する場合には、業務範囲に注意が必要です。「医師の事務作業の補助」という本来の目的に沿って範囲を決めなければなりません。例えば、以下の業務は医療事務や看護師の業務と見なされ、請求できない可能性があります。
診療報酬を請求する場合は、上記の仕事内容が重複しないように注意しましょう。
医療クラークを導入するメリットは、次の3つです。
医療機関404施設を対象とした厚生労働省の調査では、医師の負担軽減策として以下の取り組みが特に効果があるとされています。
医師の増員よりも効果のある取り組みとして、医療クラークの配置が注目されていることがわかります。
参考:令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和2年度調査)の報告案について│厚生労働省
医療クラークとダブルチェックができるため、医師が一人でカルテ入力するよりも、入力ミスや記載漏れを防止できます。診療報酬請求の記載漏れなどがあると、受付での修正が必要となり、スタッフの手間が生じるでしょう。
入力ミスや記載漏れを防止することで、トラブルの発生や事務作業の二度手間を減らせます。
カルテの記録を医療クラークに任せることで、医師は診察に時間を十分かけられ、患者さんもリラックスして相談しやすくなるでしょう。
また、医師以外の第三者が診察室にいることで、緊張せず質問しやすい雰囲気が生まれます。例えば、男性医師だと緊張しがちな患者でも、女性の医療クラークがいると安心して話しやすくなります。業務効率化だけでなく、診療の質向上にも効果的といえるでしょう。
医師の負担軽減につながる医療クラークですが、導入する上では、以下のようなデメリットもあります。
電子カルテの入力は、専門用語や略語、診療科特有の専門知識など、多岐にわたる理解が必要です。さらに、カルテの操作方法や入力速度など、実務的なスキルも求められます。
引用:2023年度 医師事務作業補助者実態調査報告 -速報版-│NPO法人日本医師事務作業補助者協会
NPO法人日本医師事務作業補助者協会が行った調査では、院内の教育体制の有無により、医師の負担軽減効果に差がみられることがわかりました。教育体制がない施設では、医療クラークを導入しても、統計的に有意な負担軽減効果は認められませんでした。
そのため、医療クラークを効果的に活用するためには、教育体制の整備が欠かせません。しかし、人員が不足している場合は十分な教育を行えず、医療クラークを導入しても医師の負担が軽減されない可能性があります。
医療クラークを新規採用する場合、人件費の発生は避けられません。教育コストに加え、給与や社会保険料などの固定費が毎月発生します。
業務の効率化により、医師の負担は軽減されますが、その効果は可視化しにくく時間がかかるでしょう。医療クラークが育つまでは、効果を実感しにくいといえます。
医療クラークは、医師の負担軽減効果が大きい反面、導入には教育や金銭面でのコストがかかります。育成のためにコストをかけても、定着しないケースもみられ、十分な費用対効果を得られるかがわからないでしょう。
医療クラーク以外で電子カルテの代行入力ができる方法として、AIによる音声入力システムが注目されています。診察中の医師と患者の会話を録音し、自動的にSOAP形式のカルテに変換するシステムです。
医療用語に特化した音声認識ができるため、教育や育成の手間が省けます。また、初期費用や月額利用料のみで利用できるため、医療クラークの人件費に比べると比較的安価で導入できるでしょう。
電子カルテのAI音声入力システムに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:
電子カルテの音声入力は役に立つ?AI活用の効果と導入のポイント
電子カルテの入力を医療クラークに代行してもらうことは法律的には問題なく、業務効率化に効果的な施策です。しかし、教育や人件費など、医療クラークの育成には時間と金銭面のコストがかかります。育成しても人材が定着しないと、かけたコストが無駄になってしまいます。
採用にかけるコストが限られている場合、費用対効果のある方法で業務効率化をはかることが大切です。そのためには、既存スタッフが医療クラークを兼務することや、AIを活用した音声入力システムの導入など、リスクの少ない方法を選びましょう。
株式会社HERO innovationでは、病院やクリニックで活用いただける電子カルテAI音声入力システム「MEDISMA AIクラーク」をご提供しています。
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