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お役立ちコラム
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「シュライバーとクラークの違いがわからない」「そもそも導入のメリットは?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
シュライバーの導入は、クラークと同様にカルテ入力の効率化に有効です。そして、入力スキルや医療用語の理解など、適切な教育により医師の負担軽減効果が高まります。
本記事では、シュライバーについて、クラークとの違いやメリット、実効性を高める教育マニュアルを紹介します。カルテ入力に追われて困っている開業医の先生や経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シュライバーとは、ドイツ語で「書記官」を意味する言葉で、医療現場では医師のカルテ入力を補助する役割を担うスタッフを指します。医師が患者との会話に集中できるよう、必要な情報をカルテに記録することが主な業務です。
クラークとは、英語の「Clerk(事務員)」に由来する言葉で、医師のカルテ入力を代行するスタッフです。基本的にはシュライバーとクラークは同じ意味、役割として扱われることが多いでしょう。
医療機関によっては、カルテ入力に特化したスタッフをシュライバー、診断書作成や所見入力を行うスタッフをクラークとしているケースもあります。
関連記事:医療クラーク(メディカルクラーク)とは?医療事務との違いや電子カルテ入力など業務を解説
シュライバーやクラークの役割は、カルテの正確な記録や書類作成、オーダーの代行です。具体的には、以下のような業務を担当します。
患者が「1か月前から喉が痛くて…」と発言し、医師が喉を確認して「扁桃腺に腫れがありますね」とやりとりをした場合、次のようにSOAP形式にまとめます。
そのほか、医師の指示で検査オーダーや薬の処方入力も行います。医師は患者を診ながら話せるため、診察の効率や患者の安心感向上につながります。
シュライバーやクラークに必要とされている資格はとくにありません。ただし、パソコン操作のスムーズさや医療用語・レセプトの知識が求められるため、一定のスキルは必要です。スキルを保証するものとしては、以下の資格が代表的です。
また、一定条件を満たせばシュライバー・クラーク配置により「医師事務作業補助体制加算」が認められています。しかし、無床診療所であるクリニックでは施設基準を満たせません。診療報酬よりも医師の負担軽減や患者サービスの向上を目的に導入する方がよいでしょう。
参考:医師事務作業補助体制加算について│厚生労働省
シュライバーやクラークを導入するメリットは、以下の3つです。
シュライバーやクラークを導入することで、診察中にカルテ入力が完結します。診療時間後にカルテを事後入力する必要がなくなり、残業削減につながります。済生会栗橋病院の導入事例では、医師の87%が「時間外労働も減り、業務が楽になった」と回答しました。
シュライバーやクラークは、医師のタスクシェアの方法として注目されています。
参考:医療クラーク導入の取り組みとその効果について│厚生労働省
診察中にカルテ入力を終えられず、次の患者を呼ぶのに時間がかかってしまうと、患者の待ち時間が増大します。シュライバーやクラークが入力することで、患者の待ち時間軽減につながります。特に、小児科や眼科など患者数が多い診療科では効果を発揮できるでしょう。
患者に向き合う診察ができ、患者との信頼感向上やより正確な状態像の把握につながるでしょう。視線が患者に向けられるので、「しっかり話を聞いてくれる」という安心感が生まれます。また、患者の微妙な表情の変化をキャッチでき、より正確な診断やケアにつながります。
シュライバーやクラークを導入する際には、どのように教育すればよいのでしょうか。3つの流れに沿って解説します。
シュライバーやクラークを任せるため、在籍スタッフから適任者を選びます。以下のようなスキルや特徴がある人を選ぶと安心でしょう。
既存スタッフが並行する余裕がない場合、新たに採用するケースもあります。採用時には、人柄の確認に加え、タイピング速度や正確性、医療知識をテストして確認するとよいでしょう。
業務マニュアルを作成し、カルテ記載のルールやテンプレートなどの必要事項を整理します。実際の入力例を事例形式で載せておくと理解が深まります。具体的には、次のような内容を含めるとよいでしょう。
紙媒体だけでなく、デジタルデータでも共有しておくと随時更新しやすくなり、学習効率が向上します。
教育はOJTが一般的です。カルテ入力のみから始め、慣れてくれば処方箋入力も追加するなど、徐々に業務を広げながら教えるとよいでしょう。
また、並行してe-ラーニングを活用することがおすすめです。日本病院会の医師事務作業補助者コースは3万円で10回・32時間の研修がe-ラーニングで受けられます。カルテ記載や診断書作成などの実務から、医学や医療に関する法的知識まで幅広く学べます。
自習であれば、電子カルテ代行入力問題集での学習もよいでしょう。医師と患者の応答例が複数掲載されており、シュライバーがどのタイミングで入力するのかもわかる内容になっています。
OJTに加え、研修や自習により体系的な知識が学べます。研修費用の補助やインセンティブの付与を行い、スタッフに学習を促しましょう。
参考:医師事務作業補助者コースWEBサイト│日本病院会
参考:電子カルテ代行入力問題集│宮城県の医師・看護師不足を補うための医師事務作業補助者育成
シュライバーやクラークは医師のカルテ入力負担を軽減する効果があるものの、いくつか注意点があります。導入する上での注意点を2つ紹介します。
シュライバーやクラークが担当する業務範囲を明確化しておきましょう。カルテ作成といっても、問診内容や診断名、処方、検査オーダーなど、複数のプロセスに細分化できます。線引きがあいまいだと、「どちらが担当すべきか」が不透明でトラブルを招きやすくなるでしょう。
医療事務のレセプト業務との兼ね合いを含め、業務内容を事前に話し合っておくことが大切です。
シュライバーやクラークの配置による「医師事務作業補助体制加算」では、配置後6か月間は研修期間として必要な教育を行うことが義務づけられています。診療報酬を算定しない場合でも、教育期間として6か月を見込んで教育する方がよいでしょう。
また、教育が十分でないと、負担軽減につながらない可能性があります。「教育体制がない施設では、統計的に有意な負担軽減効果は認められない」という調査結果もあります。
「最初は時間がかかるもの」と割り切ってじっくり指導する意識を持ち、余裕を持った教育体制を整えましょう。
参考:医師事務作業補助体制加算1(A207-2)│厚生労働省
参考:2023年度 医師事務作業補助者実態調査報告 -速報版-│NPO法人日本医師事務作業補助者協会
人材確保の難しさや教育期間の問題から、シュライバーやクラークの導入をためらう場合もあるでしょう。教育にかける時間やスタッフが不足している場合、すぐに効率化するならAI音声入力システムの導入も一つの方法です。
最新のAI音声入力システムは、医師と患者の会話を自動的に録音し、SOAP形式に沿って要約する機能があります。医療用語を高精度で認識し、正確に文字化できます。自院でしか使わない言葉も、学習機能があるため使用回数を重ねると正しく認識可能です。
教育の必要がなく、導入してすぐに活用できるため、長期的なコスト削減につながります。「人手が見つからない」「すぐに辞めてしまう」などの悩みもなく、安定した運用が可能です。
株式会社HERO innovationでは、病院やクリニックで活用いただける電子カルテAI音声入力システム「MEDISMA AIクラーク」をご提供しています。無料のオンライン相談も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
シュライバー・クラークの導入は医師の負担軽減と患者満足度向上に効果的ですが、その効果は教育体制に影響されます。約6か月の育成期間が必要となるため、十分な教育コストと手間をかけられるかを事前に検討することが重要です。
人材育成の余裕がない場合は、AI音声入力システムの導入も選択肢の一つです。自院の診療スタイルや予算に合わせて、カルテ入力を効率化する方法を選びましょう。
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